SPECIAL
公開日:2017/6/2
国鉄分割民営化から30年。ここ最近では、激動の国鉄時代を走り抜けた車両たちが、大きく数を減らし続けていいる。
その中でもJR車両にはなく、国鉄型車両にのみあるものと言えば、急行型車両だろう。(JR車両にも、急行型はあるがごく少数しかいない)
今回は、国鉄最急勾配の碓氷峠を越えるために作られ、JR化後しばらく新幹線に峠越えの役目を譲り、第三セクターしなの鉄道で余生を過ごした車両、169系の最後を紹介したい。
2012年3月31日 屋代駅
2012年4月1日付で廃線になった、長野電鉄屋代線の廃線に合わせ、国鉄時代に乗り入れていた急行「志賀」がリバイバルで運行された。
2012年3月31日 屋代駅
2012年3月31日 屋代駅
2012年3月31日 屋代駅
誇らしげに急行幕を掲げる169系。筆者が生まれた時には長野新幹線が開業していたので、急行が走っていた時代のことは全く知らないが、当時の雰囲気がとても伝わってくる。
2012年3月31日 屋代駅
碓氷峠対策識別の為の「●(Gマーク)」もしっかりと、再現されている。
2012年3月31日 軽井沢駅
169系S51編成と並ぶ湘南色のS52編成。急行型車両同士の並びはとても貴重だ。
2012年3月31日 軽井沢駅
169系S51編成。奥には、嘗て共に峠越えをした「峠のシェルパ」EF63が展示されている。
2012年3月31日 軽井沢駅
霧の中で出発を待つ169系。軽井沢などの標高が高い場所では、よく霧がまき列車が遅れることがある。
2012年3月31日 軽井沢駅
169系の車内の様子。座席は残念ながら交換されている為、ボックスシートではない。
2012年3月31日 軽井沢駅
2012年3月31日 屋代駅
2012年8月12日 軽井沢駅
しなの鉄道開業15周年企画、第3弾として急行リバイバル信州が運転された。
2012年8月12日 軽井沢駅
2012年8月12日 軽井沢駅
2012年10月7日 小諸駅
2012年10月7日、しなの鉄道開業15周年を記念し、小諸駅にて感謝祭が行われた。
2012年10月7日 小諸駅
169系についての展示パネル。これは、引退の伏線だったのかもしれない。
2012年10月7日 小諸駅
今までのヘッドマークが飾られている。
2012年10月7日 小諸駅
右のジャンパ栓が、EF63との協調運転に必要な「KE-70形ジャンパ連結器」。これにより碓氷峠通過時、最大8両までだったのが12両へと増えた。
2012年10月7日 小諸駅
同イベントでは、169系の運転席が公開された。
2012年10月7日 小諸駅
2012年10月7日 小諸駅
2012年10月7日 小諸駅
2012年10月7日 小諸駅
直通予備ブレーキに残る「横川-軽井沢」の文字。
169系の引退が公式発表され、2012年12月22日にしなの鉄道本社前での撮影会、並びに団体列車が運転された。
2012年12月22日 しなの鉄道本社前(上田市)
本社前電留線へ入線する169系。
2012年12月22日 しなの鉄道本社前(上田市)
2012年12月22日 上田駅
上田駅発着の団体列車。S51・S52編成が充当された。
2012年12月22日 軽井沢駅
この団体列車では、軽井沢駅ホームの普段使用していない東側に、車両を移動し撮影会が行われた。
2012年12月22日 軽井沢駅
2012年12月22日 軽井沢駅
錆びたレールと車止め。もうこのレールは上野まで繋がっていない。
12両に対応したホーム。今ではこの半分も使われていない。
引退を記念し急行志賀が運転された。
2013年1月27日 屋代駅
屋代駅に入線する169系。
2013年1月27日 軽井沢駅
2013年1月27日 軽井沢駅
3号車のサボのみ「上野-湯田中」になっている。
2013年1月27日 屋代駅
屋代駅では、旧屋代線ホームへ入線し、車内が解放された。
2013年2月24日 屋代駅
急行運転の裏では、169系を置き換える115系2両編成の試運転が行われていた。
2013年2月24日 屋代駅
2013年2月24日 屋代駅
24日の運転では、S53編成と並び撮影会が行われた。
引退記念第2弾として、急行信州が運転された。だが、写真が無いようなので省略する。
2013年3月23日 しなの鉄道本社前(上田市)
2013年3月23日、小諸市を舞台としたアニメ「あの夏で待ってる」のラッピング車両(S2編成)と並べ撮影会、及び急行列車が運転された。
2013年3月23日 しなの鉄道本社前(上田市)
ラッピング車両との並び。しなの鉄道が招待した、コスプレイヤーさんも参加していた。
2013年3月23日 しなの鉄道本社前(上田市)
2013年3月23日 軽井沢駅
169系の隣に並んでいるのは、115系9両編成だ。169系置き換え用の115系が、すでに運行開始しているため車両の置き場がなく、仕方なく軽井沢駅に留置されている。
2013年3月23日 軽井沢駅
2013年3月23日 軽井沢駅
車内も夏待ち一色だ。
2013年3月23日 軽井沢駅
デッキにはカプセルトイが設置された。
2013年3月23日 小諸駅
2013年4月6日 坂城駅
しなの鉄道から、S51編成の坂城町への譲渡、及び湘南色への塗装変更が発表された。
それに伴い2013年4月6日、急行さかきが運転された。
2013年4月6日 坂城駅
2013年4月6日 坂城駅
先頭車両には、坂城町のマスコットキャラクター「ねずこん」(町の特産ねずみ大根に由来)が置かれている。
2013年4月6日 軽井沢駅
2013年4月14日 しなの鉄道本社前(上田市)
引退2週間前のイベントとして、しなの鉄道本社前にて169系とバス会社6社の撮影会、及びバスで横川へ向かい帰路は軽井沢から169系に乗る「特別団体列車運転&バス試乗会」が行われた。
2013年4月14日 しなの鉄道本社前(上田市)
2013年4月14日 しなの鉄道本社前(上田市)
S51編成が湘南色になったことで、湘南色同士の並びが見れるようになった。
2013年4月14日 横川駅
往路では、バスで高速を使い横川に向かった。横川では、6社のバスとしなの鉄道の社員がいる、珍しい光景が見られた。ちなみに私はJRバス関東に乗った。
2013年4月14日 碓氷鉄道文化むら
碓氷鉄道文化むらへも、少しだけ立ち寄ってみた。入場料が500円とかなり安く、展示車両も多いので、大変おすすめだ。
2013年4月14日 横川駅
せっかく横川へ来たのだから、名物の峠の釜めしを頂いた。最近、容器が益子焼からプラスチックだかに変わった、という噂を耳にしたことがあるのだが、どうなったか心配だ。
2013年4月14日 軽井沢駅
碓氷バイパスを通り、バスは軽井沢駅に到着。ここから169系6両編成に乗り換えだ。
2013年4月14日 上田駅
2013年4月14日 上田駅
湘南色同士の連結面。
2013年4月29日、これで本当に最後の営業運転だ。私は始発で屋代駅へ向かい、ラストランの切符を購入した。
2013年4月29日 屋代駅
屋代駅へ入線する169系S51+S52編成。これから急行志賀として軽井沢へ行き、折り返し急行信州として篠ノ井へ行く。
2013年4月29日 軽井沢駅
軽井沢に到着。篠ノ井へ折り返す。
2013年4月29日 軽井沢駅
115系9両編成も横から見送る。
2013年4月29日 篠ノ井駅
折り返し、急行「ありがとう・さようなら169系」として軽井沢へ向かう。
2013年4月29日 戸倉駅
戸倉駅でS53編成を連結し、9両編成となる。
2013年4月29日 戸倉駅
長野行の表示がファンサービスで出された。169系は2011年7月1日の「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」改正により、JR線内への乗り入れができなくなった。
2013年4月29日 西上田駅
2013年4月29日 西上田駅
2013年4月29日 平原駅
急行全盛期を彷彿させる9両編成。
2013年4月29日 軽井沢駅
軽井沢に到着。折り返し、団体「ありがとう・さようなら169系」となる。これがラストランだ。ラストランの運転は、主任運転手の女性の方が乗務された。
2013年4月29日 小諸駅
大勢の人に見送られ軽井沢を出発し、小諸へ到着。
2013年4月29日 上田駅
2013年4月29日 小諸駅
上田駅では赤備えによる歓迎、ヘッドマークの展示が行われた。
そして列車はついに終点屋代へ到着してしまう。
2013年4月29日 屋代駅
当時の代表取締役社長、藤井武晴氏と169系。
2013年4月29日 屋代駅
総走行距離600万km以上、地球150周をした169系はこの後入れ替えをし、静かに照明を落とした。
2013年5月25日 坂城駅
S51編成が坂城町へ譲渡され、静態保存がされている。この編成は、モハユニットがトップナンバー、クハがラストナンバーの面白い編成だ。ちなみにクモハのラストナンバーは、富士急で生首になっている。
たまに車内開放を行っているので、時間が合えばまた行ってみたい。
2013年5月25日 坂城駅
2013年5月25日 坂城駅
2013年5月25日 坂城駅
2013年12月(旧)軽井沢駅舎記念館
(旧)軽井沢駅舎記念館へS52編成、クモハ169-6が譲渡された。
2013年12月(旧)軽井沢駅舎記念館
2013年12月(旧)軽井沢駅舎記念館
2013年12月(旧)軽井沢駅舎記念館
(旧)軽井沢駅舎記念館は、2017年3月末をもって閉館となりました。今後、しなの鉄道開業20周年事業の一環で活用されるようだ。(駅舎として使う等を検討しているそうだ)
2013年12月(旧)軽井沢駅舎記念館
S53編成と、S52編成の残りを長野総合車両センターへけん引した、115系S5編成、合わせて8両が廃車となった。事実上、115系を115系で置き換えてしまった。
今年はJR発足から30年、横川-軽井沢間廃止20年と節目の年だ。だがしかし、経営分離された軽井沢-篠ノ井間では、115系が今も昔も変わらずどころか、経年により日々劣化している。そんな115系も今年で車齢40を迎える。勿論、59両もの車両を置き換える当ても、資金もない。169系が引退した今、これからが本当の正念場だ。